八王子おんぶ育児の会

八王子おんぶ育児の会は、2012年から八王子市内で活動をしている任意団体です。

遅ればせながら、おんぶの会を終えて

「大切なことは、遠くにある人や、大きなことではなく、目の前にある人に対して、愛を持って接することです」
マザーテレサ



私自身、家族と離れて
八王子へ嫁に来たということもあり
地域で協力をして子育てをするということに、とても関心をもっています。

そして、
近所に家族が居たとしても
子育てをしやすい社会とは、家族以外にも相談して頼れる場がある社会だとも思っています。

自治体や、企業でも、
子育て支援の取り組みはもちろんあります。
便利な商品や、サービスだってあります。
むしろ、
選びきれないほど!

いつの間にか、子育ては気が遠くなるほど忙しく
ベビーカー1つ選ぶことさえ大変になりました。
インターネットでは、無数の商品。
読みきれない口コミ。

そこに羅列する言葉に、顔はありません。想像をするだけです。

独身時代の私ならば、
適当に選んでやり過ごしていたでしょう。
とにかく早く決めなくては、次の日も仕事があって忙しいのです。
肌のコンディションにも関わります。

そうして、幾つかのことが気になりながら
ごまかして先送りにしてきました。

幾つかのこと。
例えば、
大きな企業の広告をたくさん出している有名な商品。
それが、素晴らしい物なのか
実はわからないのです。

外国では販売禁止の
健康に害のある素材で作られた商品かもしれません。
オシャレで便利で安い商品は、
奴隷同然の労働環境で
幼い女の子が朝から晩までお手洗いも行けずに作り続けた商品かもしれません。

カルシウム増量!という粉ミルク。
6時間分の吸収力。という、おむつ。

ベビーカーだって、
抱っこ紐だって、
何を選べばいいのか混乱しているお母さんに沢山会いました。
私だって、はじめは混乱しました。

そして、いつから
こんなことになったのかと思うに至ったのです。

粉ミルクであれば、
私の母親が子育てをするころ。
粉ミルクメーカーが、とても頑張って
お医者さんも味方につけて
立派な広告と、少し嘘のうたい文句と共に売り上げを拡大することに成功しました。

紙おむつも、そのころです。

私の出身は、商売人の町。大阪。
私を産んだ母は、一ヶ月も経てば嫁ぎ先の商売を手伝わなくてはいけませんでした。
そのため、祖母からは粉ミルクへの切り替えを強要されたそうです。
そのころの祖母や母に搾乳の知識は無く、
搾乳のおっぱいを今ほど清潔に保存する方法も無かったのかもしれません。
(※それでも仕事の前に、湯のみにでも搾乳しておけば
お昼までは大丈夫だったのでは?なんて、
あれこれ想像してしまいます。
搾乳が広まっていないのは粉ミルクメーカーのせいでは?などと思ったり…)

例えば搾乳さえしていれば
少なくとも、しないよりは
おっぱいが早くに出なくなって悲しむこともないし
粉ミルクだって必要ないし
それでも商売の手伝いはできるし
母も子も満足ではないでしょうか。

ならば、粉ミルクメーカーの
お母さんの味方みたいな広告って何なの?と思うわけです。
じゅうぶんに知識があれば、九割のお母さんが母乳だけで子育てができると言われています。(安定するまでの期間は個人差があります。)

ならば、必要なのは粉ミルクではなく
知識。
そして、出にくいときの乗り越え方や
母体をケアする知恵こそがお母さんには必要なのでは?と、実感しています。
(あと、励ましてくれる家族や友だちも。)

何より、
どれだけ大きな資本力
なんとなく説得力を持つ学者がいても
彼らを
母と子の間には、入れたくない。と私は思っています。
なぜなら母と子の幸せは、そこには無いのです。
母が子を思う気持ちを利用して、お金儲けをしているといっても良い。

本当に、必要があって
今の時代でラッキーだったね。と、商品やサービスを利用することはあるかもしれません。

ただ、母と子の方が利用されるのが
私はとても悔しいのです。

おんぶ紐や、抱っこ紐だって、そう。
わざわざ高価な物を用意しなくても
母子共に楽チンなものがあったとして
試してみた結果、相性が良かったら
さらしや兵児帯を使ってみると良いです。

使い方は、始めはわからなくって当然ですから
皆で一緒に覚えましょう。
教えてくれる人だって、始めは誰かに教わったんです。

大きな資本力には到底かないませんが、
地域で知恵を共有することなら私にもできます。

テレビで言っていたから、
みんなそうだから、
大手量販店で販売していたから、
芸能人が使っていたから。

だから、
その商品を購入すれば我が子が優秀になるのか。
母親として合格なのか。
幸せになれるのか。

そういうことではなくて、
(そして
一概にメーカー商品を否定するわけでもなく、)

母と子どもがいれば子育てはできます。

そう、何もなくても大丈夫なはずです。
しかも、不便じゃない。
身の回りにあるものでじゅうぶん楽チンな子育てができるのです。
それほど、私たちは物に囲まれて生活をしています。

とても長くなりましたが、
前回のおんぶの会で私が感想としてお話したかったことは、このようなことです。
ですので、
実際にあのときにお話していたら感想というより
決意表明のようで可笑しかったかもしれませんね。


では最後に

「あなたのおこなう行動がほとんど無意味だとしても
それでもあなたは、それをやらなければなりません。
それは世界を変えるためにではなく、
あなたが世界によって変えられないようにするためにです。」
マハトマ・ガンディー



では、また。


Miho